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zoom RSS 『リテイク・シックスティーン』

<<   作成日時 : 2009/12/12 16:12   >>

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 豊島ミホさんの『リテイク・シックスティーン』(幻冬舎)を読みました。

 素晴らしかったです。
 高校一年の沙織を主人公に、孝子、村山くん、大海くん、四人の青春模様を一年を通して描いた長編。
 瑞々しいエピソードが丹念に紡がれていくわけですが、この作品を一風変わったものにしているのが、孝子の存在。

 高校入学して間もなく、孝子は沙織だけにこう告げます。
「あたし、未来から来たの」
 二十七歳までの失敗した$l生をやり直したいと強く願った孝子。気がつけば十六歳の自分に戻っていたというのです。

 物語の導入部でそれが明かされるのですが、だからといって本格タイムリープストーリーが展開されるわけではありません。沙織も孝子の妄想癖くらいにしか捉えません。
 あくまでも、そんな孝子と、孝子を受け入れ、友情を育くむ沙織との関係が主軸です。

 でもこのタイムリープ設定が孝子の性格、生きかたに絶妙に反映され、物語に深い味わいを与えています。
 二十七歳までの自分から逃げてきた孝子だからこそ、そのうしろめたさや卑屈さ、そして同じ失敗は繰り返したくないという焦燥が見え隠れし、それがときに痛ましく、彼女を彩ります。
 そしてそれは青春の鬱屈とシンクロし、沙織たちにも影響を与え、それぞれが乗り越えようとすることで、彼らは一歩大人へと近づいていきます。

 一度きりの青春と、やりなおした青春。その中で、沙織や孝子が自分の生きかたへの最初の覚悟を持つ展開がとても感動的でした。

 友情や恋を通じて、揺れる想いと、青春の一瞬の煌めき、そして成長が鮮やかに描かれた傑作です。

リテイク・シックスティーン
幻冬舎
豊島 ミホ

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「リテイク・シックスティーン」豊島ミホ
高校に入学したばかりの沙織は、クラスメイトの孝子に「未来から来た」と告白される。未来の世界で27歳・無職の孝子だが、イケてなかった高校生活をやり直せば未来も変えられるはずだ、と。学祭、球技大会、... ...続きを見る
粋な提案
2013/04/09 14:45

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